検 索 無料配信 番組表

storyストーリー

#04京都 老舗和菓子屋の変―前編―
2025年2月15日 放送

京都で100年以上の歴史を誇る菓子匠『鳳凰』。決して笑わない“けったいな人”で有名な大将・百万遍(ひゃくまんべん)紘一(こういち)(大河内浩)は、黄綬褒章を受賞した人間国宝級の菓子職人。息子で弟子の野心(やしん)(白洲迅)も若き天才職人とうたわれる逸材。

まさに“世界一の和菓子”を生み出す親子はテレビでもたびたび紹介され、野心が実は妾の子であることも周知の事実。そんな中、大将・紘一がくも膜下出血で帰らぬ人となった……。

数日後、相続探偵・灰江(はいえ)七生(なお)(赤楚衛二)の事務所に、『鳳凰』の従業員・宮越(みやこし)多津子(たつこ)(床嶋佳子)が訪ねて来る。紘一の死をニュースで知った灰江に、「野心は私の息子なんです」と明かす多津子。つまり、多津子が紘一の妾……。

正妻・(みやび)(山村紅葉)がなかなか子どもを授からなかったため、多津子はいずれ結婚することを条件に紘一の子・野心を産んだ。ところがその直後、雅に嫡男・正臣(まさおみ)(小関裕太)が誕生。多津子と紘一の結婚はなくなり、以来、多津子は妾として雅からずっと邪魔者扱いされてきたという。

それでも地道に和菓子の修行を積んできた息子・野心。一方、正臣はろくに働きもせず花街通いをしているともっぱらのウワサ。……それなのに!紘一の遺言書には『すべての財産を正妻・雅と嫡男・正臣に各2分の1の割合で相続させる』とあり、店は雅と正臣のものに……。納得できない多津子は、生前、紘一からまるで違う話を聞いていたため、遺言書は偽物だと主張。「私が聞いたんは、『鳳凰』という『ブランド』を正臣に、『作業場』と『売り場』を野心に、と」――その言葉を聞いた灰江は、「まさに生前、けったいな人と言わしめた百万遍紘一氏らしい、なんともけったいな遺言だ」と合点し、遺言書が偽物であることを証明してほしいという多津子の依頼を引き受け、令子(れいこ)(桜田ひより)と朝永(ともなが)(矢本悠馬)を連れて、いざ京都へ!

令子とっては久々となる地元・京都への帰省だが、なぜかその表情は硬く……。令子の過去に一体何が?医大を休学中のワケは?令子と灰江の出会いが明らかに……!そして紘一が残した“けったいな遺言”が、思いも寄らない事態を引き起こす!!

以下、ネタバレを含みます。

菓子匠『鳳凰』の大将・百万遍紘一の遺言書が偽物であることを証明するため京都にやって来た灰江、令子、朝永の3人。令子にとっては久々となる地元・京都への帰省だが、令子はなぜか実家に顔を出そうとせず、灰江たちと一緒に旅館に宿泊。町を歩いていても緊張した様子で周囲をキョロキョロ警戒……。そんな令子を不思議に思う朝永は、令子が京都医科歯科大学を休学しているワケを灰江に聞くが、「それは令子ちゃんが、弁護士をしていた俺のクライアントだった頃の話だからな~」とはぐらかす。

『鳳凰』に着いた灰江たちを多津子と野心が迎え入れる。居合わせた雅と番頭・与平(よへい)(池田鉄洋)に、灰江が「多津子さんから、遺言書の真意について、調査を依頼されまして」とあいさつすると、雅は「図太い人はやることがちゃいますなぁ……」と多津子に嫌味を言い、灰江を追い払おうとする。いつもなら怯んで反論できない多津子だが……息子・野心のために覚悟を決め、「灰江さん、私、闘います!」と力強く宣言。灰江は“そうこなくっちゃ”とばかりに不敵な笑みを浮かべ、「さてさて、とことんのアウェー戦、思う存分、楽しませていただきまひょ」――多津子VS雅!野心VS正臣!骨肉の後継者争いの幕がついに切って落とされた!!

灰江たちはさっそく『鳳凰』の従業員たちに話を聞いて回る。紘一の死後、『鳳凰』は正妻・雅と番頭の与平が仕切っていて、もともと肩身の狭かった野心は雅と与平からますます陰湿な嫌がらせを受けるようになったという。さらに、正臣が新しく『鳳凰』の支店を出し、その店を与平に任せようとしている、というウワサも。しかし多津子が言うには、与平は正臣とも雅とも折り合いが悪かったらしい。それなのに急にタッグを組み始めたことを不審に思う灰江は、与平が雅の弱みを握ったのではないかと考える。そしてその弱みこそ、ずばり、本物の遺言書の存在!しかも、雅と正臣に不利な内容の!だとすれば、本物の遺言書は与平が隠し持っているはずだが……、一体どこにあるのか?見つけられるか心配する多津子に、灰江は「なあに、至極簡単な方法で、与平自ら我々に差し出すことになるはずです」と自信たっぷりで……。

『本物の遺言書を探偵が発見した』――灰江がウソの情報を従業員たちに流すと、真に受けた与平は「んなアホな!」と大慌てでホテルに走り、隠してあった封書を確認。「なんや、ちゃんとあるやないか」とひと安心する与平の背後から灰江が封書をひょいと奪い、抵抗する与平を令子があっという間にねじ伏せる。宣言通り、いとも簡単に本物の遺言書を奪った灰江。朝永が筆跡鑑定した結果、遺言書は紘一のもので間違いない。遺言書の隠ぺいを図った与平と雅は警察に突き出され、取り調べを受けることとなった……。

灰江は、正臣と野心をはじめとする『鳳凰』の従業員たちの前で本物の遺言書の中身を発表する――。『現金、株などの金融資産と菓子匠鳳凰の商標権をすべて正臣に。菓子匠鳳凰の作業場と店舗のある不動産とその不動産内の動産一切は、野心に相続させるものとす』――。本来なら雅も遺留分としてそこそこの遺産を受け取れたはずだが、遺言書の隠ぺいと改ざんで欠格。それにより、紘一の遺言通り、正臣はお金と『鳳凰』の暖簾を相続し、野心は菓子作りの現場を相続することに。まさに“名”と“実”を分け合う形となった結果に、多津子は「それは、私が生前、聞いていた通りです!」と感極まって泣き崩れる……。

野心側の職人たちは『鳳凰』の名が使えなくなることに動揺するが、野心は「大丈夫や。私たちは決して鳳凰の名前だけで勝負してきたわけやない。名より実を取る相続で、私は十分満足です」と告げ、一方の正臣も「金融資産と『鳳凰』の商標権があれば、十分だ」と異論なし。2人の決意を受け止めた職人たちは、亡き紘一を想って高揚し、「さすがは大将!ようお二人のことわかってはったんや!」と涙する。

これで菓子匠『鳳凰』を巡る相続問題は一件落着……と誰もが思う中、灰江だけは「たぶん、本当に大変なのは、これからだよ。ホンマに、けったいな遺言だぜ」とこぼす。普通なら暖簾も現場もまとめて相続させるところを、紘一はなぜバラバラに分けたのか……。

灰江と朝永が東京に戻る中、令子は京都に残り、休学中の大学に向かう。実は3年前、令子の父は同大学の消化器外科で教授をしていたが、医療過誤を疑われ、係争中に急死していた……。当時、週刊誌やマスコミが、大した証拠もないのに医療過誤をさも事実であるかのように騒ぎ立てた。令子は父の無実を証明しようとしたが、医学部内の権力争いによって真相はゆがめられ、味方になってくれる者は誰も現れず……藁にもすがる思いで転がり込んだ先が、当時弁護士をしていた灰江のもとだったのだ。「もう何人もの弁護士さんに断られたんです。……まるで、死人に口なし、と言われてるようで悔しくて。母までが父を疑うようなことを……」と涙する令子に、灰江は「死人に口なしという言葉が、僕は大嫌いでしてね。三富さん、一緒にお父様の無念を晴らしましょう」。その言葉と灰江の姿勢に令子の心は救われたのだった……。

「あれから3年か……そろそろ前に進まないと……」と令子は意を決し、父の弟子だった長谷川(はせがわ)教授(髙橋洋)に復学の意思を伝えるが、難色を示されてしまう。父の一件は事実無根であることが証明されているが、患者や世間の偏見の目は完全に消えてはいない。「傷つくのは君やから……」と言う長谷川に、令子は「分かりました。そうします!」と無理に笑顔を作ってみせる……。

その帰り、令子は川べりで一人、悔し涙を流していると……背後から「令子!」と呼ぶ女性の声。振り向くと、母・沙織(さおり)(中島ひろ子)が立っていた。令子は驚き、「お母さん……」と言ったまま、動くことができず……。

一方、東京では、謎の男・地鶏(じどり)(加藤雅也)が、弁護士・福士(ふくし)(落合モトキ)に「そういえば、灰江というチンピラのところには、三富君という助手がいるそうだが」……地鶏は令子の父親の事件のことも、その事件が灰江の弁護士としての最後の裁判だったことも知っていた。なぜなら地鶏の肩書は、最高裁判事――!灰江の動向をやたらと気にする地鶏は、「ヤツの様子が変わったりしたら、必ず私に連絡を」と福士にクギを刺し、「余計なことをやりおったら、どうなるか、骨の髄まで分からせてやる」とスゴむ……。

そんな中、灰江たちが去った京都で、想定外の事態が起こり始める。元鳳凰の『作業場』と『売り場』を手にした野心が心機一転、店名を『野心』に変えて店をオープンしたものの、値段を『鳳凰』から据え置きにしたことで「無名やのに強気なこと」と客から非難の声が上がり、出だしは不調……。一方正臣は、安価でとっつきやすい和菓子店『鳳凰べっかん』をオープン。コストも手頃で日持ちのしやすいお菓子が話題となり、店は大盛況に。意外や意外、“実”より“名”が勝る結果となり、くしくも灰江の読みが的中。「紘一氏には、未来が見えていたのかもしれない」と、コーヒー豆をかじりながら思案する灰江……。

果たして、100年の歴史と伝統を誇る老舗菓子匠の運命は!?紘一はなぜ“名”と“実”をわざわざ分けて相続させたのか!?けったいな遺言の真意とは――!?5話へつづく!!

関連記事
関連動画
このストーリーをシェアする

放送を見逃した方はこちら

このページをシェアする
日テレドラマ
LINEアカウント
  • LINEの友だち追加
  • QRコードを起動
  • 友だちを追加!
QR
©Nippon Television Network Corporation